湾口に沈めるべく丸腰の汽船で敵前に飛び込むという作戦に、東郷司令長官は乗り気でなかったという。
「全員戦死というのは作戦ではない。死傷者を少なくして効果をあげるのが作戦である」
全くそのとおりである。
が、発案者有馬中佐は、引かない。
「立案した者が隊長として死地に飛び込むならよろしいでしょう」
と、押し切ったとある。
(作戦指揮官だけではなく作戦参加者の生命の問題もある、ということはここでは措くが、しかし60名強の要員に対し2千名の志願があったという)
本作戦の是非については、ひとまず措くが、私がふと思ったのは、上司と部下の関係ということについてである。続きを読む