好きだったひとに、グレート・ギャツビーみたいな人だって言われたことがある。何年も以前のことだけど。
その頃僕は、「華麗なるギャツビー」って本の名前を知っていたし、フィッツジェラルドって作家の名前も知っていた。レッドフォードが出てる映画も。
けれど読んだことはなかったし(恥ずかしながら)、そして映画も観てなかった。
「へえ、そうなの?」ってひとことで、そのときは終わったし、いやたしか、逆に、「サリンジャーのフラニーに似てるよね」って、彼女のことを僕が言い返したから、話はそっちへ進んでいったまま。
それから特にそのことを僕は思い出すでもなく月日は進んできて、彼女が今どこで何をしてるかも僕はもう何年も知らない。
村上春樹の新訳「グレート・ギャツビー」は随分売れてるみたいだ。その大部分は、訳者の名に負うところが多そうだ。
話題書ってものを僕が素直に手にとることはそう多くはないんだけれど、書店の棚で相当なスペースを陣取った「グレート・ギャツビー」と目があった(ような気がするときってあるよね)瞬間、ふと読んでみたくなった。
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