
先日、toybox2004さん(旧blog)とやりとりしている際に、電子ツールと、紙メモと云々という話があって、以来、自分の思考作業ツール的なものを見直してみた。
人様にそんなことを紹介できるような大物でも著名人でも(まだ)全くないのだが ^^;)、もし何か参考になることでもあればと思い、ここにも紹介してみることに。
おおよそ、そうしたツールとしてリストアップされるのは
- PC
- テキストエディタ
- アイディアプロセッサ
- メールソフト
- webブラウザ
- テキストエディタ
- clie(palm)
- ノート
- 紙
といったところか。
■ PC
パソコンはもちろん筆頭にくる。
☆☆テキストエディタ
ネット関連を別とすれば、僕にとって最も重要なツールはテキストエディタ。
とにかく思いつきを書いておくのにも、こうした記事を書くのにも使うし、仕事の書類等も、あるいは論文も、僕はワープロよりもまずはエディタで、ざ〜っと作る(たぶんパソコン歴が古い人に多いかも、昔はワープロも重たかったし ^^;)し、HPのhtmlもエディタで書く、簡単なプログラムもエディタで書く(どうせ簡単なのしか書けないが ^^;)。
愛用ソフトは、Rim ArtsのDanaを、もうかれこれ5年以上使ってる。それ以前はいろいろ使っていたが、さまざまな点でこのDanaが最も気に入り、シェアウェアだけど正規に登録して使ってる。
ことエディタに関しては、フリーでも良いものがたくさんある(多分ほぼ全て試してみた)。が、僕にとってエディタは生命線というか、快適な思索活動に不可欠な最重要ツールなので、ここには金に糸目を付けたくなくて(たいした金額ではないのだが --;)、この際一切妥協せずに、最も自分に合うものを選んだ。
そして僕の大きな特徴として、本の抜き書きということがある。
僕は、読んだ本で気に入ったところ、有益知識的なこと、発想の触媒になりそうなこと、これらは常に抜き書きしている。本によっては、そういう部分が多すぎて、ほとんど大部分が抜き書かれることもある。
そもそも僕がこうしたことを始めたのは、高校の頃。高校から大学途中までは、ノートか手帳に書き取っていた。そんな僕が、パソコンを使い始めてから早速この作業をパソコンで行うようになるのは当然の流れ。ノートにとっていたときは、ほぼ全てが発想の触媒的な事項のみで、暇ごとにノートをくって考えにふけっていたが、電子データとすることができるようになってからは、それのみならず、先に書いたように、気に入ったところや知識的なことも書き抜くようになった。将来引用し得る可能性があるものについてはそのまま、そうでないものは、要旨を書いておく。
これは、何も小難しい本に限らず、小説やコミックでも、これは思えば書いておく。発想のタネはいつどこにあってもおかしくない。モンキー・D・ルフィ(コミック、「ワンピース」)の名言集だってある、彼は尊敬する人物なので ^^;)
通常は、まず通読して(全体を理解した上で)再度最初から流しながら必要な部分を書き抜く。時間がない場合、あるいは明らかに全体像がつかめている時は、一度めに読むときから抜き書きつつ読む。
こうして、僕のPCには数百冊分の抜粋データが、テキストファイルで保存されている。分野ごとに整理しているが、global検索をすれば一発だし。
これは、一見無駄な作業に見えるし、故におそらくここまで徹底してやっている人は僕の他にいないだろうと思うが、しかし、デメリットをある程度小さくできれば(後述)、メリットも大きい。
本を読み返さずとも、必要な部分に電子的に検索してすぐアクセスできるし、データの再利用、加工という有益性はバカにならない。このblogでも何度か目にされたかもしれないが、僕が記事中に本などからの引用をしている場合、それはこうしたストックから簡単に抽出して貼り付けている。論文を書いている際にも同様だ。
かつ、先に言ったように、発想の触媒という意味が僕にとっては大きいので、そうしたものを常に暇があれば見返しながら考える必要がある。それを、何冊もの本のページをめくって行うのはあまりにも非生産的だ(かつ、後述するが、僕はそれをclieで持ち運んでもいるので)。
また、良いものを選んで、後輩らに渡してやることもできるし、これまでも幾度か、これという人物にはそうしてきた。(いつか将来、僕の子供が学生になる頃には、数千冊分のそうしたデータファイルにアクセスさせてやれることだろう。余計なお世話かもしれないが、というよりまず結婚しろ、だが ^^;)
さて、しかしデメリットは、読書に要する時間が余計にかかるということだ。このデメリットを圧縮する方法は二つ、読む速度の向上と、抜き書く速度の向上しかない。幸い、僕は読むのが速い。かつ、キーを打つのも、自分が話す速さでは打てるので、速い部類には該当するだろうと思う。かつ、細切れ時間の利用もして時間は節約している。(例えば僕は大のテレビっ子で、テレビ視聴時間で大きく時間を失っているが、それでも、CMの間に本を読むような生活を昨年まではしていた ^^;)今年は時間に多少余裕出たが、それでも急いでいる場合にはCM間に本を読み進める。)
そうすると、ざっと僕の見たところ、普通身の回りの人が一冊読了するのと同程度かそれ以上の早さで、僕も一冊をあげることができている感じ。
しかし、一般的にはやはり人に勧めることはできないのだろうな、とは思う。現に人に勧めたことはない。常識的に考えてあまりにも無駄な作業と見えるだろうし、実際、損益分岐点を上回るには多少のスキルが必要になる。さらに、読んだことについて再思考するという最大の目的の点でその必要がない人には、つまりただ引用等のためということであれば、割に合わない。
(余談だが、しかし、読書でも作業でも、スピードアップということは頭の切れを非常によくすると思う。慣れの部分が大きい。人間の脳の順応力は驚くほどなので。脳のスピードアップができれば、時間の流れ方は変わる。とっさの事故等の場合に時間がコマ送りになるのと似ている。サイボーグ009や002の加速装置とも似ていると思う…皆んな知らないか ^^;) いずれまた別記事で書いてみたい)
もちろん前述したように、自分のふとした思いつきや、発想のタネ、構想や思索の途中経過も、どんどん気軽にテキストファイル化している。
☆☆アイディアプロセッサ
さて次に、エディタを補助する感じで使っているのが、いわゆるアイディアプロセッサといわれるもの。個人的にいちばんのお気に入りはIdea Treeだが、最近は人気も出て、シェアウェア化されている。僕はかれこれ10年近く使っているが、現在でも、このソフトがもたらす生産性を考えれば、シェアウェア登録する価値は十分あるとも思う。
しかしながら、近頃は、clieとの連携ということで、Bonsai(←日本語化等も必要なので、作者サイトでなく紹介サイトでリンク)を使っている。正直、PC的には使用感はIdea Treeにはるかに劣るので、clieとの連携不要なものについては、Idea Treeを使用。
Idea Tree は、本当に素晴らしい。エディタのように不可欠ではない、つまりそれが無ければどうにもならないかと言えばそんなことはないのだが、使うことで、文字通り思考が向こうからやってくることさえある。
基本的には僕は話すときも書くときも瞬間的に構造化して頭から最後まで一気に話したり書いたりするタイプだが、さすがに一定量の論文となると、骨子立てから考えて、あるいはブレーンストーミング的なことも行う。そうした時に、このIdea Treeの威力たるや凄い。
また、仕事で命令文書等を起案する場合にも、仕様書等の作成にも、僕はこのソフトが非常に便利だった。この場合は、漏れや抜けを防ぎ、並び順をいろいろ考えるという点か。
また、僕はあまり使わなかったが、作業工程管理用としても使える。
(※もちろん、他にも良いアイディアプロセッサソフトはあります。こちらに関しては、僕も全て試したわけではないので。)
☆☆メールソフト
メールソフトが重要なソフトであるのは言わずもがな。知人とのコミュニケーション、意見交換の他、僕の場合、多種のメールマガジンをとっているので、このメールマガジンをデータとして管理することが、メールソフトの重要な役割だ。
愛用しているのは、これもRim ArtsのBeckyというソフト。
メールソフトは、それこそほとんど試してみたが、個人的にはBecky以上のものは無いというのが感想。一応古くから定番ソフトのひとつだが、僕もかれこれ試用期も含めて10年近くになる。
個人の好みも含め、他にもいろいろメールソフトがありながら、僕の場合はどうしてもBeckyをやめれないのは、もちろん最高レベルの多機能に加え、受信メールの編集機能という理由も大きい。
Becky(だけではないが)は、受信したメールについても、本文、ヘッダーともに編集できる。
つまり、先にも述べたように多数のメールマガジンをとっているわけだが、本文は、必要なところ、自分に意味のある部分だけを残して後はカットする。場合によっては自分の考えや思いつきを書き入れておくこともある。そしてタイトルも、その内容が分かりやすいタイトルに書き換えておく。こうすることで容量を無駄にしないし、後から参照する際にも、前後のいらない部分に煩わされることがない。
各種の情報マガジンや官公庁のマガジンもあるが、いずれにせよ、自分に意味のある部分というのは限られるもの。
いったんこれを知ってしまうと、この機能がないメーラーは使えなくなってしまった ^^;)
☆☆webブラウザ
これについても、その意義は言うまでもない ^^;)
僕は、大昔っからのネスケ党だが、今日的には、まずタブブラウザでないとという感覚だ。Netscapeはタブが使えるので、この点でIEより僕には良いが、さらに、最近はこれも定番ながらSleipnirを愛用している。
Sleipnirは、以前にも使っていたことがあるのだが、最近また復帰したといったところ。
ちなみに、僕のblogでもリンクが別窓で開くようになっているけど、タブブラウザなら快適ですよ ^^) なかでも、sleipnirの快適、多機能は秀逸。
☆☆その他
ニュースリーダも以前はよく活用していたが、最近はニュースグループも下火となり、僕もあまり見ていない。
ニュースサイトというよりも、blog閲覧のため、RSSリーダを使っている。愛用は、Headline Reader(定番)とcococ
■ clie
文字通りメモ帳として、付加的にスケジューラーとして、僕はpalmのclieを愛用している。普通と逆ベクトルで換装を重ね、買い換えごとに、低機能コンパクトなものになってきた。現在はTJ25。
なぜ逆進化を遂げてきたかというと、使用目的が「メモ帳」であり、携帯性が重要だから。
僕は、「考え中リスト」というものを頭の中に持っていて、常続的にそれらを考え、あるいは発酵させているのだけど、さまざまなことをふと思いついた際、それが未だ明瞭な形をとっていない状態でも、とりあえずメモっておくことにしている。
同時に、発想の触媒、発想のタネ的なものをclieにためているから、暇の折々にそれらを眺めて、考えるようにしている。これは、clieに直接書き込んだものもあるが、先述したPCで作ったテキストファイルも、MS(Memory Stick)によりclieで持ち歩いている。
palmも検索機能は高速軽快なので、いつでも、全メモから簡単に検索できる。ちなみにメモ帳としては、現在僕はCrs-Memoを愛用している。
加えて、スケジューラーとしても使ってる。愛用はAgendusだが、シェアでよいならこれはおススメ。ただし、唯一、月単位での一覧性では、Ks Datebookに劣る。Ks Datebookはフリーウェアで、かつ十分な高機能置き換えソフト。しかも(唯一じゃないかな)月表示で、予定が表示できる。さすがに月表示では何文字かまでしか見えないが、それでも十分内容はわかり、一覧性抜群。僕はこれもお気に入りで長く使っていたが、今でも甲乙付けがたい点はある。
ソフト的には、他にもアイディアプロセッサとして先述のBonsaiや、付箋紙的にブレーンストーミング的なことができる2D Memoを気に入っている。
TJ25くらいになると非常に軽量、コンパクトで都合がいい。
■ノート、紙
こうして書いてきた一方で、紙も僕はよく使う。
何かを考えている際の、記録に残す必要がない雑記、メモやチャートは、そのへんの紙に書く。そのために、いらなくなった書類や反古紙は、まとめて近くにおいてある。場合によってはレシートの裏すら使うので(基本的にレシートはもらわないが、もらってしまった分は)財布から出して机の上に置いてある ^^;)
記録に残す必要がないとは言え、一定期間、つまりそれを考えている間、それは1時間ほどであるか、半日であるか、数日であるか、その間は机の端に置いていて、何か思いつかないか、時々眺めるようにしている。
ノートも使う。
数学用に使うのと、哲学関連書を読む際にもノートを使っている。
哲学関連書の場合は、左側に本の内容から必要な箇所をメモし、繰り返し見つつ、自分で組み立てた内容や覚え書きを右側ページに書くようにしている。
あ、武術関連でも一応ノートを用意しているか。
現時点では、ざっとこんな感じだが、皆さんにも何か参考になることや、何かひらめくところがあれば幸い。^^)
僕のクリエも買い換えるたびにグレードダウンして、TJ25だったりします。Agendusも入ってます。以前はDatebkを使っていたりしたのですが、Agendusに落ち着きました。
それにしても「数百冊分の抜粋データ」はすごいですね。少し真似してみようかしら、と無謀なことを思いました。
どうも何かと気が合う点が多いですね ^^)
うれしいです
しかし、こと電子書斎的作法においては僕は実に素人ですので、いろいろ勉強、参考にさせてもらおうと、楽しみにしています。
私もPalm使ってましたよ。
現在はちょっとお休み中なのですけど。
Glafitiとか当然完璧です。
スタイラスで書くというスタイルと
キーボードの利便性と比べてみたくて
jornada720とかにも手を出しました。
いまは、いろいろと思案中です。
とりあえず携帯のメーラーで代用してます。
僕はずっと以前、PDA初めはzaurusだったんですが、グラフィティの便利さ軽快さでpalm派になりました。
記事では省略しましたが、携帯も便利に使っています。clieはある程度の時間・期間が予測されるときしか持ち歩かないけど、携帯は文字通り常に携帯してますからね。メモ代わりに写真に納めておいたり、メール草稿として思いつきを書き留めておいたり。
自分なりの快適システムを常に探求中です。^^)