そう、音楽とのであい。
今さら出あったってはずもないだろう、と普通思うだろうけど。一体どこの星から来たんだよ、マクロスのゼントラーディかおまえはっ、ってね。「デカルチャぁ〜」 (ふ、古いよね ^^;)
でも、いや本当に、音楽というものに初めてちゃんと出あった。
もちろん、音楽と定義され得るものは、それこそもの心つく前から聞こえていただろうし、多少のもの心もつけば、聴いてもいたし、歌いもすれば演奏もした。
どちらかといえば音楽を聴くのは好きな部類に属していたといえるだろうし、子供の頃にはピアノも習った(習わされた)し鼓笛隊もやったし、学生の頃はバンドもやったりしてた。
だけど、今回まじめに音楽をやってみて(というか、やろうとしてみて)、その奥深さというかおもしろさに新鮮に驚くばかり。
ふと考えてみたんだけど、僕の中では、
インターネットにであったとき、古武術の世界にであったとき、集合論にであったとき、構造構成主義にであったとき、
これらに並ぶインパクトと胸の躍りがある。
さきの4つが、今後僕の人生であり人格、思考に相当の影響を与えていくだろうことを思うと、音楽もきわめて大きな位置づけを占めるようになるのかもしれない、そんな予感がする。
学生の頃には軽音サークルでバンドやったりもしてたんだけど、当時の僕はほんとに遊び。コピーバンドで、オリジナルもやらなかったし、決められた曲でベースラインを耳コピするか、コードをきいて適当にベースラインつくるかして弾くだけ。
あとはthe PoliceやU2なんかの好きな曲をコピーして多少遊ぶくらい。
今回、ギタリストのケンちゃんと知り合って、さんざん音楽の話をいきいきわくわくと聞かされて、なんとなくまたやりたくなってベースギター買って、一緒にスタジオで遊んで、バンド始めることにして、自分で曲をつくって演奏して、はじめて本当に音楽に出あった気がする。
前にも少し書いたけど、
ちゃんとバンドをやろうと言い出したのは僕だ。
ケンちゃんにもっとちゃんと本気で音楽をやらせたかったから。
むろん、滅私は僕の趣味じゃない、僕だって楽しいからだけど。
で、最低一人月一曲以上つくるということも言いだしっぺである僕としては、まず何としても最初一月からこけるわけにはいかなかった。「ごめん、無理やったわ、あははは」というわけには!
しかし僕は歌なんて作ったことないし、作ろうと思ったこともない。
詩こそ多少は書いていたけど、詞のつもりではないし、曲をつくるなんてことにいたっては全く想像の外にあった。
ほんと…年末年始は かなり焦った。
自分にそんなことができるかどうかも考えずに約束だけ決めちゃったから。
さて…
曲つくるのって、どうするんだろ。
そこから考えはじめたわけだけど、すでに暗中模索。
やっぱ普通はコード進行でも考えるのかな…
しかし…コード鳴らすものなんてないしな…
なんせ手元にあるのはベースだけ。ピアノもシンセもなければギターすらない。(当時はPCもダウン中)
じゃ、コードで考えるのは無理だな。
いや、まてよ、ベース単音でもコード進行が考えられないわけでもないよな…ベースラインでもつくってみるか…カッコいいフレーズつくって、それに合わせて何か歌ってみる…?
----試行錯誤 刻々と数日たつ…
…ムリ -_-)
いいや、ストレートに歌つくって、それで後からコードとかベースライン考えよう。いいんだよ、ハナ歌で、うんハナ歌つくろう。
----それっぽいことができないことはないが… どうも想像が広がらないしイメージ持ちづらい…
むぅ… 歌詞のイメージがないと曲想なんてわかないな、オレは。
ふぅ、先に歌詞つくろ。せめてサビとか、歌のコンセプトだけでも。
で、結局僕の初めての曲づくりはこういう手順でできた。
歌詞サビ→サビのメロディ→サビ以外のメロディ→サビ以外の歌詞→ベースライン→ケンちゃんへ→ギターパート
「ファイティングポーズ」って曲だけどラブソング。
(そのうちいい音源できたら載せます)
書くとシンプルな流れなんだけど、歌詞+メロディができて、自分で歌えるようになってから、そこからがまた大変だった。
その時点では、いくら歌えててもコードがわかってない(決まってない)わけだから、ベースラインつけるのがもうたいへん。過去にそんな経験もないし。コードすら不明の曲にベースつけるなんて経験は。
サビのとこだけは、歌ってると頭の中にベースラインが勝手に浮かんできて、あとはそれのコード感をしらべるためにいろいろ歌いながら弾いて、それでうまく発見できたんだけど、サビ以外のところは、ほんとに苦しんだ。
第一、無理やりでもとにかくつきさえすればいいというわけじゃなくて、ちゃんといい曲にしたかったから。口の悪い一視聴者の一人として客観的に聴いてカッコわるいものはダメだ。
歌のメロディをベースでそのまま弾いてみて、使ってる音を分解して考えてみたり、歌いながらあれこれ試してみたり。合うとかズレてるとか歌いやすいとか歌いにくいとか。
それに…原則これは僕が歌うから、実際のライブのパフォーマンスで歌いながら弾きづらいようなベースラインはダメだ。
そんなこんなで、歌そのものができたっと喜んでから、ベースラインつけるのに数日かかった。
あとはケンちゃんにわたして、ギターをつけてもらう。
これは実はケンちゃんも随分四苦八苦したみたいで、いっときかなり追い詰められてたけど、できあがったのを聴くと、おおおぉ、カッコいい!
さきにベースがあって後からギターつけるのって何だかヘンな感じではあるけど、
ちょうどその頃読んでたAndy Summers(ポリスのギタリスト)の自伝(アンディ・サマーズ自伝 ポリス全調書)を見てると、
あの「Every Breath You Take」(「見つめていたい」)なんかも、Stingが歌にベースとドラムパターンだけ入れてAndyにわたして、「後はまかせた」だったらしい。
スタジオでAndyがしばしの試行錯誤の後、あのギターリフを通して演奏してみて、そして一瞬の沈黙のあとスタッフ皆んなが立ち上がって一斉に拍手したって。
カッコイイっ
ちなみにケンちゃんの作りかたはこう。
コード進行→メロディ→歌詞→僕にわたす→ベースラインつける
こちらの場合は、最初から明白にコードがわかってるから、ベースラインをつけるのにさほどの苦はない。
その場で即興でとりあえずベースラインつけて演奏して練習して、帰ってから一人でまたベースラインを工夫して修正する。
で、こういうことをやりながら、
だんだん、だんだんと音楽のことがわかってきた。ほんの少しずつだし、今の段階で本当に「わかった」なんて到底いえないけど。
曲にベースラインをつけるということで、音楽の仕組みというか構造というか、そういうものがだんだん見えてきた。(これもむろんごくごく見え始め)
それと何より新鮮だったのが、
ベースを弾きながら歌うということ。
曲がりなりにベーシストだったのに、今、はじめてベースと歌の関係というか、ベースに乗るということが感覚でわかるようになった。
ベーシストは絶対に、歌ってみる経験するべきだと思った。
そうして考えると、例えば、自身ベーシストだしボーカルのStingの曲というのは、ベースラインが本当に秀逸だ。今さらだけど。
ところで歌といえば、ひとつ不思議だったことが。
はじめケンちゃんとスタジオで遊んでるだけだった頃、ポリスの「Message in a Bottle」(「孤独のメッセージ」)をコピーしたんだけど、実は僕はこの曲は、大学のサークルの時にも演奏したことがあった。
で、当時、ボーカルが風邪か何かで練習休んだときに、ポリスファンの僕はこの歌の歌詞も完全に覚えてるし、代わりに僕が歌って練習しようかということになったんだけど、これがもう、ぜんっぜんダメ。ベース弾きながら歌えなくて。歌おうとすればベースがぐだぐだになるし、ベース弾こうとすれば歌がぐだぐだ。
なのに、去年スタジオで遊んでコピーしたとき、ベースをカッチリ弾きながら、スラスラ歌えるから不思議。
もちろん、大学以来練習なんてしてないし、ベースにさわってすらない(社会人一年目に一回演奏しただけ)のに!
僕は、これもケンちゃん効果じゃないかと思ってる。
彼は本っ当に音楽が好きだし、楽しんでるし、一緒に演ってて周りの僕らも楽しくなるから。
そうした人や雰囲気に接して、僕の何かが開いたのかな…と。
不思議不思議…
2月もちゃんと一曲つくった。
今度は、前回よりもずっとスムーズにつくれた。
3月はまだだけど、そろそろ焦りはじめてる。ケンちゃんはもうできてるし。
今回は、ちょっと手法を変えて、ベースフレーズを起点につくってみようかなと思ってる。
しかしいずれにせよ、ド素人なりにではあるけど、こうやって歌をつくっていると、音楽を聴いていても感覚がぜんぜん違う。
どの歌、どの曲を聴いていても、何かこう…うまくいえないけど、すごく立体的にせまってくるというか…構造的な味わいというか楽しさというか、とにかく、音楽聴いてても今までの100倍楽しい。
本当に楽しい
音楽にちゃんとであえてよかった! ^^)
後ほど続編あり
明日かな…