2005年10月18日

パ・プレーオフ制度


 プレーオフ制度について。

 昨年もだけれど、現行のプレーオフに対する批判は強い。
 理由は大きくは二つに分かれる。

 ひとつは、これでは「ペナントレース」を勝ち抜いた意味がない、「ペナントレース」の重みがない、といったもの。
 もうひとつは、優勝チームの方が不利ではないか(第1ステージを待たされていたうえに、そこを勝ち抜いて勢いに乗ったチームと対戦させられる)、さらに、セリーグ優勝チームはもっと待たされて、もっと日本シリーズで不利ではないかというもの。

 僕はことさらプレーオフ支持でも不支持でもないが、プロ野球の存在の本質にてらせば、少なくともパリーグではよい制度ではないかと思っている。
 そして上記の批判論については、前者に対して否定、後者に対して一定の理解をもっている。



 まず前者の論については、単に発想の転換ができていないだけの話だと思っている。つまり、従来のシステムに長年浸かってきて、本末転倒の議論をしているようにも。

 さきに単刀直入に言っておくと、パリーグでは、こうした形のプレーオフを採用した時点で(大会自体の新レギュレーションだ)、かつての「ペナントレース」はもはや「ペナントレース」ではないのだ。
 レギュレーションが各ステージの意義を規定するのに、古いステージの意義をもって新しいレギュレーションが間違っているというのは論理的に破綻している。

 もう少しわかりやすく言うと、この形式のプレーオフを採用したということは、その時点で、プレーオフこそが「ペナントレース」であって、従来ペナントレースと言われていたステージ部分は、いわば予選リーグにすると決めたことになる。まあこの場合は単に「リーグ戦」といっておけばよいだろう。

 つまり、リーグ戦の上位3チームが、ペナントレースに出場する。言い換えれば、ペナントレース出場をかけてリーグ戦を戦うということだ。
 ペナントを賭けて戦う「ペナント・レース」の語義からするとそうなるだろう。

 そしてこれは、野球以外の競技では一般的になんら奇抜なことではないのだ。むしろ普通というべきかもしれない。
 サッカーワールドカップだって、本戦出場のために地区予選を戦っているのであって、その各地区を何位で通過しようが、本戦で優勝すれば優勝だ。
 陸上にしても水泳にしても、予選は通過すればよいのであって、そのへんのペース配分や心理戦も既に戦いのうち。
 つまり、スポーツ競技においてそうしたシステムはさほど面妖なものではない。

 さて、しかし単なる予選リーグにしては、あまりにも試合数が多いのではないかという指摘もあるだろう。
 もとより、どんな競技でも予選リーグの試合数(組数)は多い傾向があるが、それを別としても、その数の適正ということは、少なすぎて正確な戦力の反映を欠くことはあっても、多すぎてそれを欠くということは考えにくい。

 また、ここでプロ野球存在の本質を考えれば、なおのこと、この試合数は全く適当だ。
 つまり、本質とは、順不同として、一にはファンのため、一にはビジネスとしての成立だ。

 ファンが楽しむという本質に照らして、どうせ予選なら総当たりの各チーム15試合くらいでよいだろうということは到底成り立つまい。
 選手のためにプロ野球があるかのように錯誤するから、おかしなことになる。ここは重要だ。
 さらには、シーズン半ばも超えた頃早々に優勝戦線から遠ざかって消化試合化するのと、3位までの予選通過をめぐって終盤まで熾烈な戦いが繰り広げられるのと、どちらがファンを楽しませるかは、考えてもわかることだし、まして昨年今年の様子を見れば実に顕著だ。

 上記と全く同じことが、ビジネスとしての本質でも言える。
 予選なら試合数が少なくてよいとかいうことではない。それはアマチュアの競技会であれば差し障りはないだろうが、プロ野球は選手の給料も支払うし、できるものなら黒字も出したい、また裾野としてテレビ局などもある。
 また、プレーオフ進出チームは、プレーオフ開催による収益も相当であり、ビジネス的インセンティブも働く。(ちなみに今年のプレーオフは7試合で22万人超の観客だ。)
 逆に、前述のとおり、早々に消化試合化がすすんで観客動員が伸びようわけもなく、さらに長期的にはプロ野球人気自体が下火化していくこともあり得るだろう。

 このように考えてみると、予選リーグ的な位置づけだからといって、現行ほどの試合数を戦い強いチーム上位を選ぶということにさほどの問題があるとは思えない。

 プレーオフは、米大リーグからの流用だが、大リーグのプレーオフとはもとより性格が全く異なる。以前の前期後期制とも異なる。同じであるのは、ただただ、レギュラーシーズン後に別枠で選抜チームのみがポストシーズンを戦うということだけだ。

 つまり、日本のパリーグがやっていることは、本当は大リーグ用語としての「プレーオフ」なる言葉を使うべきではないのだとも言える。
 用語を、「リーグ戦」そして上位チームで「ペナントレース」とでも表現しておれば、誰にも発想の転換はできただろう。

 そうであるから現行プレーオフを擁護するというわけではなく、僕は個人的にはどちらでも良いのだが、しかし現行のプレーオフの実体はこうであるから、その種の批判には当たらないと思う。
 かつ、個人的にではなく、プロ野球界自体、そしてファンの楽しみということを考え合わせれば、つらつら上述したごとくの理由で、現行制度は好ましいものであるはずだと思う。

 僕はロッテファンであって、そしてロッテは3位西武に20ゲーム近い差をつけてリーグ戦を終えたが、だからといって、その西武と「プレーオフ」を戦うことについて愚痴ったりはしていない。
 本戦で西武に負ければ、負ける方が悪いのだからしかたない。水泳でも陸上でもサッカーでも、上位規定以内で本戦に出れば、負けたとしても、あいつは予選でオレよりコンマ何秒も遅かったのにとか、あそこは地区リーグで2位だったのにとか言っても詮ないことだ。

 球界著名人の一部も騒いでいるような、「ペナントレース」勝者の立場が無いとか、「ペナントレースの重みが云々」ということは、本人が意識していないにせよ、あまりにも選手的(それも旧来の)発想の立場であって、かつ、制度の本質を理解していない。
 重みもなにも、だからそれは「ペナントレース」なんかではないんだって ^^;)、そして、重みなら厳然としてあるんだよ、本戦出場チームを厳選するという意味で、と、そのように僕は言いたい。


 さて、しかし後者の問題、これはたしかに検討の余地ありかとも思う。

 これは、まずパリーグについては、首位チームと2位3位チームの差ということはあまり考えていないが(今回でも無試合期間は4日の差でしかない)、ただし、セリーグの優勝チームの待つ期間はさすがに長すぎるだろう。

 王監督はさかんに、あるいは選手の一部、例えばズレータなども連敗するなり激しく、待っている分、自分たちが不利だったというが、それは王ホークスが2年連続敗退することによりたまたま説得力を持つかに見えるだけで、僕はあまり重大視していない。
 現にシーズン終盤にもホークスはマリーンズに3連敗しているが、その時とさほど何が変わっていたとも思えない。強いて言えば、みんなえらく固かったということだ。
 また、ロッテや西武と無試合期間の差は4日ほどしかなく、かつ、ロッテや西武はチーム内でのケースバッティング程度しかしていなかったが、ホークスは(なぜかあまり言いたがらないようだが)広島カープをはじめ各球団2軍との練習試合を行って、ピッチャーも投げているし松中たち主軸も参加している。

 あえて言えば、所詮それは2軍であって、ロッテは西武というチームと本気の試合をして実戦勘を高めているではないか、ということがあるだろうし、それは確かに的はずれではない。それは影響ないとは言えないと思う。(ただ松中はその所詮2軍の試合でも無安打の試合で不調が心配されたりもしていたが ^^;)

 しかし、何ごとも利点不利点は混ざり合い渾沌としているもので、一概にトータルの利不利を言い得るほど強力な障害かどうかは疑問でもある。
 第一に、5戦フルに戦ったわけだが、一体何試合目なら試合勘がもどるというのか、5試合あって足りないとすれば、それは調整の手落ちにもなるのではないか。最終戦に打たれた馬原も連投だったのに、最終戦でまだその不利があったといえるか、文字通り久しぶりの実戦である春の開幕でさえ5試合で1安打や2安打は不調と言われるほどだが、松中、ズレータ、バティスタのクリーンナップで5試合6安打というのは、そのロッテを待つわずかな間のせいだと本当に言えるのか、このあたりは微妙だろう。
 ズレータなどはハンデと言い切り、そうでなければ3戦目までに3本はホームランを打っていると断言して憤っていたが、カブレラや川崎は打ちまくっている(川崎は5試合通算で4割超だ。カブレラはホームランも2本)。

 第二に、しかもこのシステムは急に言われたことではなく、各チーム皆、春から重々承知の上で戦ってきたものだ。ましてホークスは去年の経験もある。

 本当に1位のほうが不利だと思うならば、有利な2位になればよい。
 方式は異なるがかつて前期後期制プレーオフでは、野村氏の南海(奇しくもホークスだ)が前期で優勝し、後期は「死んだふり作戦」で相手チームを油断させ、プレーオフで快勝したというエピソードもある。
 つまり、本当に2位通過が有利だと信じるのであれば、2位になればよいじゃないか、ということも言えないこともない。今年のホークスだって、なりたければ2位になれるチャンスはいくらでもあった。
 しかし、1位が有利だと思ったはずだし、実際そうだろうと僕も思っている。

 だって、考えてもみよというのは、まず無試合の期間は、今回のロッテとホークスでわずか4日間しか違わない。
 そして、ロッテは、松坂、西口、杉内、斎藤、新垣、和田、杉内と、そうそうたる投手と連戦を重ねてきたのだ。
 本当に、逆の立場になって、松坂、西口、(場合によってはさらに3人目)、渡辺俊、小林宏、セラフィニ、清水…と連戦するほうが有利だったといえるだろうか。しかも第2ステージのロッテ戦では、3番手もしくは4番手投手でロッテのエースから順に当たっていくことになる。
 だから僕はロッテには(仮に譲って西武であっても)今度来年は、ぜひ1位で通過して、かつプレーオフでまたホークスを破っておくべきだと思う。

 この通常の試合以上に神経をすり減らす7試合と、その肉体のみならず精神的疲労を考えれば、セの阪神と比べても、一概にどっちが有利とは決めがたい気すらする。(もうこの土曜からだ)

 とはいえ、しかしそれでも確かにセリーグ側が待つ期間はさすがに長すぎるとは僕も思う。
 かといって、これ以上セリーグより早くパリーグが開幕することは厳しい。

 ひとつの案は、セリーグもプレーオフ(僕の論では「本戦」「ペナントレース」)を設けるようにすること。これは最も良いと思う。日程の足並みがそろうし、前述したようなこの方式のファンとビジネス、球界に与えるメリットはセリーグにおいても生じるものだから。
 (しかし、今回のホークス敗退でますます批判論が高まっており、ちょっと難しい状況だろう。)


 もうひとつの案は、日程を少しずつ詰めるしかあるまい。^^;)
 つまり、まず可能な限り、少しでもパの開幕を早め、セの開幕を遅らせる、これはたとえわずか数日でも。節約や貯金と同じだ。
 そして、セについては途中日程も適宜間引きをして期間を若干でも延ばす。
 さらに、パでは、リーグ戦終了から「プレーオフ」までの期間を少しでも短縮する。もとより、雨天中止試合の予備日の代替え確保として日程が確保しておかねばならないことも原因のひとつだが、上記のように少しずつでも前倒ししていくしかあるまい。(全球場ドーム化などは無論大反対 ^^)



posted by Shu UETA at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 千葉ロッテ/sports | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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