2005年10月11日

戦略入門003


 古いメルマガ記事転載の第3号です。

Samurai Magazine vol.012■水曜>戦略戦術危機管理No.03>概論(03)

04/07/21
■ はじめに ■


 自らを強者とする場を設ける、、、それが前回のお話しでした。
 さて、「強者」とは、、、というのが今日のテーマです。

■ Index ■

  --強者--

  1 強さ
  2 相対性
  3 瞬間の強者 --- 奇襲!

  ◎ これまでのまとめ



1 強さ

 強者は勝ち、弱者は負ける、そして戦いの中に自分を強者とする場や時を作るということが勝利の要件だとお話ししましたが、ではその「強さ」とは何でしょうか。

 強さには、例えば次のような要素が考えられます。

 ○ 兵の数
 ○ 兵の質(能力)
 ○ 兵の士気
 ○ 指揮官の能力
 ○ 装備、技術等
 ○ 地の利(環境)
    ・・・・・等々

 兵の数というのは特に説明は必要ないでしょう。同一環境下に同質の兵をもってあたるならば、数の多い方が勝つのは自明です。量は力です。

 兵の質というのは、兵の戦闘能力です。同数の兵であっても、戦闘能力の異なる部隊が戦闘を行えば、強い部隊が勝利するでしょう。
 難しいのは、その部隊の能力というものを正確に判断することです。個々の平均的な戦技、能力のほか、戦闘経験などの要素もあるでしょう。

 兵の士気というものは、想像以上に勝負に大きな影響を与えます。士気というものは、目に見えて計測されるものでもありませんし、常に変動するものでもあり、これを判断することも非常に困難です。

 指揮官の能力。これは最大の比較条件のひとつです。部隊の能力は指揮官しだいでいかようにも変わります。

 装備、技術。これらは、敵との間に大きな較差がある場合、特にものを言うことになります。極端な話、刀剣しか持たない部隊と火器を装備した部隊では勝負になりませんね。しかし、通常はそれほどの較差があることはまずないでしょう。通常は、その差をどのように認識し、どの程度これを加味するかというところが問題となりますね。

 地の利というものは、たとえば山や丘の上からと下からで交戦する場合には上からの部隊のほうが有利となりますし、刀剣であれ銃器であれ、ほとんどの人間が右利きであることから、部隊は右からの攻撃には弱い(いずれ詳しく説明しますが、たとえば槍を想像すれば容易にわかります。射撃も同様です)こと、、等々さまざまな地形や環境による有利不利があります。


 ここにあげたのは、もちろんいくつかの例に過ぎません。それぞれの戦いに応じて、さまざまな「強さ」のかたちというものがあるでしょう。そこに注意を払い、自分の直面している戦い、競争において、何が「強さ」となり得、何が有利となるのかを、いつも考える習慣を身につけましょう。


(おまけ)
 育成期ではなく、ある程度のレベルにある組織を率いる場合(組織でなく自分個人でも同様ですが)、弱点ばかりを分析するより、強味を分析することの重要性を忘れてはいけません。特に日本の風潮では、スポーツであれビジネスであれ、とかく弱点ばかりに目がいき、強点の分析、活用が全くおざなりになっていることがよく見られます。
 注意してください、弱点の分析は、育成、成長が目的の作業です。(そのためにはむろん必要です。)
 勝利のための作業は、自らの強味を見つけることが最重要です。この、強点を見つける力は、戦いに勝つための眼力です。
 育成作業と作戦作業を混同してはなりません。


2 相対性

 戦いにおける勝敗とは、自分と敵との相対的な問題に過ぎません。そこでは絶対値ではなく相対値が問われるということを忘れないでください。今日は「強さ」ということを問題にしていますが、あくまでも「相手より」強ければそれでよいのです。この点を、もういちど心に留めておいて下さい。

 そこで、再度さっきの「強さ」のいろいろを考えてみると、それぞれについて、「相手より」強ければよく、その差が大きければ大きいほど、あなたはより強いということになります。
 さて、するとこういうことを考えることでしょう。「相手が弱く、自分が強い点で勝負をすればいいのでは」ないだろうか・・・と。そうです。まさに、そのとおりなのです。

 相対的な問題であるからには、あなたと相手の間の差を最も大きくするためには、相手が弱く苦手であり、あなたが強く得意である点を見つけ、そこに「あなたが強者となる場」を設ければよいのです。
 俗に「自分の土俵で戦う」とは、そういうことです。世に、相手の土俵で戦うことによって勝利を敵に献上していることの何と多いことでしょう・・・


3 瞬間の強者 --- 奇襲!

 「強者となる場」を設けるのに、奇襲という強力な戦法があります。
 奇襲とは、瞬間的な強力な打撃力を生み出すものです。ただし、「瞬間的」ということだけはお忘れのないように。
 奇襲とは、ご存知の通り「相手の意表を衝く」ことですが、通常みなさんが考えているよりも幅広い種類があります。
 たとえば、このようなものです。

 ○ 時間的奇襲・・・予想外のタイミングでの攻撃(あるいは予想外の速度)
 ○ 地理的奇襲・・・予想外の場所への出現、攻撃など
 ○ 技術的奇襲・・・予想外の新兵器の使用など(例:信長による鉄砲隊)
 ○ 作戦的奇襲・・・予想外の作戦など(定石破りなど)

 奇襲については、当然ながら別個に章を設けて解説する必要がありますので今日は、ほんのご紹介にとどめておきましょう。



 ◎ これまでのまとめ

 1 戦いは強いほうが勝つ
 2 自分が強くなる「場」「時」を設定すれば強者になれる
 3 強弱は相対的な問題である
 4 敵の弱さを自分の強さで討つこと(自分の土俵)

 今回までは、戦いというものの最も根本的なことを話してまいりました。
 繰り返しますが、戦略というも戦術というも、すべてはここから始まるものです。今後も、迷ったときには、この根本に立ち返ってください。

 そこで、次回からはいよいよ戦略・戦術について順序立ててお話ししてまいりましょう。

 まずは、戦略と戦術の違いについても、あらためて説明する必要があるでしょう


□Samurai Magazine
□http://www.aurora.dti.ne.jp/~rainy
posted by Shu UETA at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦略戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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