2004年09月17日

プロ野球界「パイ」の大きさ

 今回の球界再編問題に関しては、球界の「適正規模」ということも論議の的となっているが、個人的感触としては、現行でも適正規模を超えるどころか、飽和にも程遠いと感じている。


 昨今はとかく「リストラ」流行りで、特段の深い考えもなく、
「リストラ」= 合理化 = ダウンサイジング(縮小簡素化) = 良いこと
といったような風潮にあるが、リストラとはリ・ストラクチャリングであって、再構築は何も常にダウンサイズでなければならないものではなく、「合理化」という言葉も、言葉自体、規模縮小を意味するものではない。縮小が合理的な場合もあれば、縮小が不合理である場合もある。

 昨日も、ライブドアや楽天の参入申請、意志表明を受けて、オリックスの球団社長は、
 「いまの12球団では一緒に食っていくパイはない。12球団より10球団の方が健全な業界になると思っている。」
 と述べているが、「パイの大きさ」に関して認識が誤っていると思う。

 それは、たとえば教育事業のようなものにおいて、子供の全体数が一定でありそのパイを取り合うというような場合と、球界のパイとは事情が全く異なるからだ。(子供の教育熱については、既に万人に浸透し、かつ全国行き渡っている)

 仮に逆に、今現在、一部の都会でしか塾や私立大学などの教育が普及しておらず、東北地方や四国の子供は塾にも大学にも行かない(行けない)としたらどうだろう?その場合、日本国内の教育業に対するパイは、まだまだ新しくパイを作る余地があるだろう。

 球界についても同様。
 球界のパイ、つまり収入とは、グッズ販売等もあるにせよ、大部分は例えば観戦入場者の売り上げ収入や放送収入だろう(現にシミュレーションもこれで行われている)。
 人気があればグッズ販売や放送収入相場も上がるものだが、ともあれ人気の最大のバロメーターは、観戦入場者数だろう。
 試合入場者数、試合観戦収入については、パイは出来上がった一定量ではない。

 たとえば、私は長年のロッテファンだが、10年以上以前まで、ロッテファンなどはほとんどいなかった。川崎球場は常に閑古鳥、年間来場者は夢の100万人と歌われた(応援歌)ものだ。
 が、今は違う。千葉に移ってからは、大いにファンを増やし、その応援団は全国的に有名、もちろん、大阪ドームなどの関西球場でもホーム球場(近鉄・オリックス)以上の数のファンがレフト、3塁側に入っている。
 さて、パイが一定だというなら、この人たちは皆、どこか他球団の熱心なファンだった人たちを奪ってきたものだと言うのだろうか??
 とんでもない。 ^^)
 マリーンズで初めて野球ファンになった人がどれほどいるか!
 しかもここで言うファンとは、球場観戦者にカウントされる人、つまり、球場に足を運んで試合を見る人たちである。こういう人たちという意味で、ロッテが他のパイを奪った量などほとんどない。
 つまり、パイが増えたのだ。
 先の教育業の仮の例えと同様、球界についてはパイはまだ増える余地が十分ある。

 あるいはJリーグ30球団を見ても同様だ。
 チーム数は増加の一途を辿ってきたが、その間、パイの分け前はどんどん小さくなったというのだろうか?
 そうではあるまい。
 パイはどんどん拡大した。
 Jリーグ発足以前からのサッカーファンという一定のパイを小分けにしてきたわけではない。

 ロッテが千葉でできたこと(しかも優勝もしていない^^;)が、例えば仙台の新球団ができないと言い切れるだろうか。

 その同じことを、近鉄が大阪で、オリックスが神戸でできなかったのは、球界のパイ、規模の問題ではなく、彼らの失策に過ぎない。
 パイが無いなら自分で焼け! だ。 ^^)
 焼くことに失敗し、それをパイが少ないから、これ以上食べる人を増やすな、というのが近鉄・オリックスの経営陣の言っていることだ。
 球界の健全経営などと云々する前に、自らの経営をこそ反省すべきだ。

 一ロッテファンとしては(ロッテが存続さえすれば)、1リーグ制も面白そうだし、野球ファンが増えようが減ろうが特に気にもならない。
 しかし、仮に、より公な視点で客観的にみれば、現在の雰囲気や、ロッテがマリーンズで成功したことの逆を考えれば、球界縮小はおそらく、むしろパイ全体をも縮小させるだろう、という感触をもっている。

 「パイ」という例えすらこの程度にしか認識できない彼ら、少なくとも現に発言しているオリックス球団社長の経営眼とは一体どうなのか、と思ってしまう。
 まずは自己正当化ありきというのは人情として、もう少し納得のいく論陣を張ってもらいたい。


 さて、しかし近鉄ほどでないにせよ、パリーグ球団が赤字(むろんロッテも含めて)にあえいでいるのは事実だが、それはパイの問題ではない。
 今回の本論ではないので長述しないが、ひとつには、各球団の自己努力(たとえば、もし大阪ドームでロッテファンが入っているほどの数の近鉄ファンが千葉でも入ってくれればロッテの収入がどれほど増えるか!)。
 もうひとつは、放送収入のNPB一括管理などの、それこそ球界の経営健全化策など。こうした問題をこそ、真剣に討議すべきではないだろうか。


 毎度重ねていうが、正直、球界再編はどういう結果になろうと私にとってはたいした痛痒でない。
 ただただ、近鉄・オリックスのやり口が気に入らない…その一点のみだ、私に関しては。^^;)

 統合球団がさらなる経営悪化に陥ることを切に願う。そして今度の言い訳は何なのか聞いてみたいものだ。
 は、言い過ぎか。人を呪わば穴二つ…自戒自戒 ^^;)


posted by Shu UETA at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 千葉ロッテ/sports | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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