2004年08月28日

(読書)「ダ・ヴィンチ・コード」

cover

 遅れ馳せながら…ようやく読みました ^^;)

 感想、おもしろいっ!傑作と評価できるっ
 かつ、たまたま個人的な興味にすごく合致していたせいもあるかも。
 (随分以前に薦められていながら、優先順位を高く設定していなかった不明を恥じるよ >Capt.M )


 さて十分話題の書なので、あらためて多くを語る必要はないのだろうけど、せっかくなので、やはり多く語っておくか…^^;)

 傑作と評価できる、とした主な点は
  •  サスペンスの構成、描写が秀逸
  •  推理エンタテイメント性が高い(暗号解読含む)
  •  人物個々のキャラ立ちが良い
  •  ただ推理・サスペンスだけでなく、人間の悲喜、肉親の情愛などの描写にも優れる
  •  キリスト教及び太古宗教等に関する知的娯楽性が大幅に盛り込まれる
  •  翻訳がよい具合で、上記人物描写等を損なっていない


 打ち明けると、読書は30分もすれば眠たくなってしまうという困った性質をもっている(故に複数併読、短時間集中等の工夫で乗り切る ^^;) のだが、この本は、一気に読めた(概ね年に10冊くらい)。

 もうひとつの理由、個人的興味に合致していたというのは、第一は何といっても「聖杯伝説」。以前凝っていたことがあり、造詣には自信があるが、知らないことも多少出てたし、従来にない解釈もあり、また何にせよそういうテーマで物語が進むだけで胸躍るものがあった。
 (世界の現実問題に対する興味と同程度に、あらぬ様々な伝説伝承には興味大 ^^)
 第二には、宗教と歴史の関係性に関する興味。特に原始宗教に興味があるため、その点でもこの本のテーマはばっちりだった。
 第三には、暗号。暗号は大好き。ちなみに本書でも、いくつかはちゃんと主人公たちより先に読みとった!^^) (わりとそういうサービス問題もあるので、もし読まれる際は、読み流さずに、一応考えてみることをお勧めしますっ)西洋の古代史関連なので、当然ながらアナグラムもふんだんに楽しめる。

 人物については、ただ悪という者は出てこない。異常殺人者なども出てこない。皆それぞれに、自らの運命と想いに翻弄されている(主人公達も含めて)。
 ヒロインの仏警察捜査官ソフィーと祖父の間の情感の描き方は素晴らしい。微妙に涙を誘われそうにも。
 個人的には、英国紳士ティービングが大好き(主人公ではない)。かの大英帝国を築いた英国精神はかくや、と思われる人物。しかも、彼の語り口からは、あの英国風の英語が匂い立つような感じ。その意味でも、翻訳者の腕はいい。Queen's Englishが聞こえてくる心地がした。

 ということで、サスペンス好きにも、推理好きにも、一般的な小説好きにもお薦めできる。まして、聖杯伝説、テンプル騎士団だとか、死海文書、マグダラのマリアなんて言葉にピンとくる人にはもちろんのこと。
 
 興味があれば、ぜひ一読を ^^)

cover  cover
「ダ・ヴィンチ・コード」 (上)
「ダ・ヴィンチ・コード」 (下)


 あるいは、僕同様、歴史的なキリスト教と社会の関わりであるとか、原始宗教からキリスト教への過程が人類社会に与えた影響に興味を持つひとは、あらためて概観しつつ思考するネタにも適する。
 ただし、主人公の口を通じて語られるその解釈には一部疑問もないことはない。原始宗教の女性崇拝がキリスト教の女性蔑視へとなり、それが今日まで男性優位社会を築いてきたということが何度も力説されるが、その思考過程にはやや単純すぎる論理も散見された。
 また、世界中でこのような原始宗教的なものは姿を消し、キリスト教と同様の考えで塗りつぶされているように説かれるが、例えば日本がその例に洩れるのは言うまでもない(神道は、世界的な言わゆる原始宗教の宗教観に近い)。
 ちなみに、個人的にはこうした観点から古神道を研究しているし、もし本書にあるように、失われた福音書をはじめ、大きな発見によりキリスト教の根幹が破壊され、さらに何らかの国際的状況により人類の精神がどこかに回帰するとすれば、神道的な何ものか、日本的な何ものかに回帰する可能性を探っている。(これからのユビキタス技術も既に偶然なのかそうした発想でとらえられる向きもあるが…)

 しかし…マグダラのマリアのような存在は、歴史上まだまだあるのだろうなと思う。
 当然日本においても、たとえば既に古事記・日本書紀編纂の段階あるいはそれ以前の伝承の段階で、歴史から抹殺あるいは性質を変えられた存在というものがあるのだろうなと思う。果たして、テンプル修道会のように、秘密裡にでもそれを伝えている者が日本にはあるのだろうか。あるような気もするし、ないのかもしれないとも。あるいは天皇家には数々の非公開の伝承があるのでは、とも思えるし…興味は尽きない。
 それとも、「東日流外三郡誌」や「竹内文書」は死海文書のようなものだろうか…

 と、脱線も甚だしくなってしまった… ^^;)
 しかし、このようにさまざまに考えを廻らせてしまう本でもあるし、とにかくお薦めの面白い楽しめる本です。
posted by Shu UETA at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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