2004年07月24日

「防衛力のあり方検討」案(総論)

 本日の産経新聞に報道された「防衛力のあり方検討」案について、同紙による要旨をもとに、個人的な感想を述べてみた。
 まだ十分に熟読しておらず、即時的な感想に過ぎないが、今後推移を見守りつつ、引き続き考えていきたいと思う。

 一、新たな安全保障環境で防衛力を有効に機能させるため部隊の即応性を高め、事態に応じて柔軟に運用できるものにして編成・配置も抜本的に見直す

■新たな安全保障環境としては、
 ・ 国際的軍事技術の向上(情報化、精密化等)(情報RMA)
 ・ 弾道ミサイル脅威の顕在化
 ・ テロ攻撃の蔓延
 ・ 米軍におけるIT(RMA)活用の高度化浸透
 ・ 国際的平和・安定化等活動要請の常態化
 等が考えられ、情報RMA等を主とした軍事技術の向上による戦闘様相の変化や、弾道ミサイル攻撃等に対処するためには、作戦能力のスピード化が求められる。作戦速度における即応力の他、テロ攻撃を始めとした脅威の多様化に対応し得る柔軟な運用能力が必要であり、これらの要求を満足させるため、陸海空部隊の編成・配置を抜本的に見直すことを前提としていることは、きわめて妥当な姿勢であり、期待したい。

 一、敵基地攻撃能力は米軍の打撃力に引き続き期待するとともに、日本への侵攻の備えとして巡航ミサイルや軽空母の保有、対艦誘導弾への対地攻撃力付加を検討

■我が国進攻に対する防衛は、日米安全保障条約に基づく米軍来援までの間、これを独力で維持することとし、敵の策源地攻撃は米軍に期待することとしてきたが、さきに述べたように、今日の戦闘様相においては、作戦の推移速度がきわめて速いことが予測され、米軍来援以前の作戦初頭において敵の弾道及び対艦ミサイル等による攻撃の策源地に独力で対処する必要に迫られるケースが考えられ、これらに対応する意図が大綱に示される意義は大きい。

 一、科学技術の進歩に伴う軍事革命(RMA)を防衛力に反映させるため作戦スピードを加速、統合・ネットワーク化による戦力発揮と戦場認識能力、精密攻撃能力を強化、無人化などを取り入れた整備構想を策定

■RMAは手段であって目的ではない。RMAを反映させるために作戦スピードを高速化、という表現には疑問があるが(作戦推移の高速化、戦場認識能力向上のためにRMAが必要)、唯一RMAを反映した防衛力整備がが目的のひとつになり得るとすれば、米軍との共同作戦能力の面でのギャップを解消するということがあげられるだろう。
 統合運用化は、陸海空部隊の任務分担の合理化効率化と、各幕間の調整ではなく一元指揮による運用能力の向上、作戦の高速化を期待するものであり、それをより効果的ならしめるため、情報RMAが行われる必要がある。 いずれにせよ、統合化、ネットワーク化が正式に謳われ、戦場認識能力、精密攻撃能力の向上が指針として示されることは、自衛隊の戦力整備に大きな影響を与えることができるだろう。

 一、日本を含む国際社会と地域の安定化のため国際活動を本来任務の従たる任務と位置づけ、一定規模の部隊を即時に派遣できる態勢を整備、継続的に派遣できる手法も確立

 一、防衛力の見直しを決定する際は政策決定者が日本の安全保障に対するリスクを認識できるよう、目標とする防衛力の全体的、地域的な能力の評価と限界を説明


 (この項目に関しては、現在研究中。意見、見解等求む。)

 一、長期的な自衛隊の態勢の目標の示し方として大綱別表を作成する場合は年限を付し、中期防策定時に大綱別表も見直すことを検討

 一、限られた予算で効果的な防衛力整備を行うため、予算における正面・後方の区分を廃止、予算編成過程の効率化を図る

 一、特定の装備を短期に集中して調達、取得する方式を導入

 一、特定分野での産・学との連携強化を図り、研究開発の重点分野を見直し、「選択と集中」の実効性を確保

 一、安全保障環境の変化に対応できなくなった装備は早期に用途廃止などを積極的に行い、使用可能状態での保管(モスボール)については費用対効果などを検討したうえで合理的な場合に実施


posted by Shu UETA at 20:37| Comment(0) | TrackBack(1) | 天下-安全保障・外交 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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