2005年04月10日

アニメ外交黎明か?


 まずは朝日記事を。

 日本アニメ、外交に一役 ODAで購入支援 外務省検討

 趣旨は、ODAで日本アニメの購入を支援するということ。
 僕は大賛成、かねがね構想していたことでもあり、非常に満足だ。(もっとも、外務省もまだこれから検討ということろではあるけれど)

 上記報道記事によると、次のようなことだ。

 
  •   世界で評価の高い日本アニメを、外交に役立てようと外務省が検討を始めた。
  •  政府の途上国援助(ODA)を使い、各国のテレビ局が番組放映権を購入する資金を援助する。
     商業ベースでは世界を席巻している日本発のアニメだが、放映権を買えない国も少なくないためだ。
  •  外務省は3月、各国での日本アニメの放映状況や影響を在外公館を通じて調査。
     その結果、「アニメをきっかけに日本語学習者が急増」「青少年に大きな影響力がある」といった報告が多数寄せられた、という。同省は「日本製アニメの普及で海外の若年層に『日本』を印象づけられる」と分析している。
  •  そこでODAのうち「文化無償協力」枠(05年度で約24億円)を使い、放映権購入を支援することにした。すでに、国際交流基金が約1億円の予算で同様の支援を行っているが、規模を大幅に拡大する方針だ。
  •  担当者は「民間では採算がとれずに見送っている地域や国に積極的に手を出したい」という。
  •  課題は、制作会社が安く放映権を売ってくれるかどうか。制作会社の関係者によると、人気アニメの場合、相場は少なくとも1話あたり数百万円という。外務省は「知日派を増やし、日本の底力を上げるという観点から協力をお願いしたい」と理解を求めている。



 さきにも書いたとおり、この件、僕は大賛成。
 戦略的な価値は非常に高い。

 そうした考えについては、その一端を過去記事で以前にも書いたとおり。
 (「インドネシアの剣心」)

 外務省は機を見るに敏でない体質もあり、むしろ遅すぎたくらいともいえる。10年前には構想すべきことだった。今回は褒める記事であって、苦言を呈すことは主たるテーマではないが、^^;)、しかし、省職員はもっと肌で世の(世界の)トレンドというものを感じ取るようアンテナを磨いていなければ。

 海外において日本アニメは、日本という国、社会、雰囲気、文化への「あこがれ」というものを育てている。
 かつてのローマ帝国であれ、中華の帝国であれ、その文化に対する「あこがれ」というものが生み出した力学は非常に大きい。そして、そうした「あこがれ」というのは実際にその文化に力がない限り、外交戦術や策謀によって無理に生み出すことはできないものだ。現実の吸引力があってこそ、それを活用することもできようが、それがなければどうしようもない。

 幸い、日本には(何ら政府のおかげではないが)民間のコンテンツメーカー達の優れた力と実績がある。

 外務省には、窓口等を通して引き続き提案等投書していきたいと思っているが、着意事項として考えてもらいたいのは、次の2点。
 1 アフリカ、南米に限定せず、経過を見つつ、アジア諸国についても調査、検討してほしい
 2 アニメに限定せず、ミュージックビデオ等を含めJ-POPの放映関連についても調査、検討してほしい
 3 日本語教育環境整備との整合も考えた戦略的計画を保持してほしい


posted by Shu UETA at 21:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 天下-安全保障・外交 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 常足の検索でこちらのサイトがhitして以来
体を動かす事や政治、軍事のこともからっきし
なのですがいろいろな刺激をいただいています。

>コンテンツメーカー達の優れた力と実績がある。

 ご存知かもしれませんが、アニメの製作現場
はかなり過酷な状態で、海外に一部を外注する
事で現在何とかしているようですが、作画の質に
ばらつきがでたりといろいろと問題があります。

 コンテンツとして高い質を維持するためには
配給や放映側だけでなく製作現場にまでそれ
なりの利益がでるようにしないと難しいと思い
ます。

 上記の事に関連して作画のばらつきによる
作品自体の質の低下や技術流出、利益が
出ると見込んでの粗製濫造と先行きに不安の
声がかなり前から出ています。

 外務省だけの問題ではないですが有力な
武器として考えるのであれば、現状のいびつ
な構造をなんとかしないと継続的には使用で
きなくなるのではと危惧します。

 なんでもかんでも囲い込めというわけでは
ないですが(停滞してしまう事も考えられます
し)使い潰してしまうようなやり方は避けるに
越したことは無いと考えます。

 この事はアニメ産業以外にも当てはまる
かもしれませんが。

 えらそうに書きましたが私はアニメ産業や
他業種ともかかわりの無いただのボンクラ
ですので街を歩いていたら突然怪しい人が
叫んでたぐらいの気持ちで読み流して下さい。
Posted by Q作 at 2005年04月11日 02:13
> Q作さん

 コメントありがとうございますっ
 常足への関心でご縁が持てたとは、それも嬉しいことです(常足その他、僕も全く未熟な域ですが)
 余談ですが、「歩く」というのは本当に奥が深いですね…現在も自分なりには進捗し、日々新たな発見に胸躍らせているのですが、まだまだ底が知れません。^^;)

 さて、ところで、業界の話。
 僕もその方面に素人ですので、薄々耳にして懸念しているに過ぎないのですが、今回ご指摘してもらっているようなことについて、政府のすべきことがあるのではないかと、思っています。

 それは国家の戦略産業としての自覚的に維持育成すべきことで、おっしゃる通り、そちらの意味では、外務省ではなく経産省などになりましょうか。
 そうした声は随分昔からあがっていたにも関わらず、これといって具体的効果的な策が格別とられることもなく、今日の苦しい状況に至っているようです。

 この後者の整備があってこそという点で、僕も同感です。
 個人的にもいろいろ考えてみたいと思います。

 コメント、メール等お気軽に、今後とも、よろしくお願いしますっ!
Posted by Shu UETA at 2005年04月11日 22:17
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