2005年01月29日

こども芸術大学

music JOY / YUKI

 こども芸術大学、というものを聞き及ばれたことがあるだろうか。僕は遅ればせながら昨日に夕刊で知ったのだが(産経/大阪版)、こうした企画に非常に共感もし、有難いなぁ…という気持ちになった。(まだ僕がメリットを享受できるわけではないが、天下になりかわり礼も謝し、激励もしたい気持ちだ ^^)

 なに、なんかまた幼児早期教育か何か?と一瞬辟易しそうに(僕はなった)もなるネーミングだが…これがなかなか素晴らしいシステムなのだ。

 趣旨を端的にいうと、幼児とその親が、ともに芸術や自然について学ぶ、ということか。
 幼児に関して言うと、ちょうど幼稚園に該当する年齢(就学前1〜3年)であり、幼稚園の代替となり得る。
 また、幼児と親がともに芸術や自然について学ぶ、というところがミソで、実は親のほうは、大学で一般教養相当課目をとれる。

 このシステムには実に魅力的な点がいくつもある。


 僕が夕刊で見たのは、京都造形芸術大学のものだが、調べてみると、東北芸術工科大学と、二大学で、いずれも今春開校の予定だ。(京都市と山形市がうらやましくなるなぁ ^^;)

 まずは、両校のHPをご覧あれ。(とりあえずどちらかでもざっとどうぞ)

 こども芸術大学(京都造形芸術大学)

 こども芸術大学(東北芸術工科大学)


 再度繰り返すと、この「大学」は、幼稚園相当年齢の幼児と、その親がセットで入校する。つまりは親子同伴教育ということである。

 同伴とはいえ、全てが親子でのカリキュラムではない。
 たとえば京都の場合、授業は月曜から金曜の9時から14時半で、お昼をはさんでの3時限制だが、このうち、毎日1時限目と、火〜金の3時限目は、親子別々での授業となる。

 その「授業」なるものの内容だが、

 子どもについては、音楽、絵画、ダンスなどの多方面の芸術に触れること、経験すること(大学の劇場を使ってオペラ歌手になりきる「オペラ体験」や、時代劇劇団員から学ぶ「殺陣(たて)で遊ぼう」なんてものまで)、そして野山のハイキング、菜園づくりなどの自然体験、などなど。
 しかも僕が好感したのは、これらはいずれも、芸術の「教育」ではないことだ。絵画においても、描き方、技術といった美術教育や作品の出来不出来を問うよりも、とにかく「経験」するというアプローチなのだ。それでいて、どのジャンルでもその道のプロが手をとり足をとる。

 さて、親の方はというと、子ども同伴の課目では一緒に芸術等に触れる経験をするわけだが、親子別々の時限には、文学、哲学、環境学等をはじめとする、大学の一般教養課目を学ぶ。
 もちろん親自身も学生登録され、学内の図書館や各種施設も自由に使えるようになる。(僕のような人間からすると、この「大学の図書館」というのがまた魅力だ… ^^)

 少なくとも親子二人が学生ということになる、料金はなかなかなものだろうと思いきや、学費は親子あわせて月4万円という。幼稚園とそう変わるものでもないのが驚きだ。


 冒頭書いたように、僕は、こうした企画は実に有難いものだと思う。
 もちろん、大学側がただ社会のためにとひと肌脱いでくれている、と思うほどに僕はお人好しでもないし、大学にとってみれば、少子化、学生減少への対策の一手であろうことも容易に推察できる。
 が、自分の営利に適い、かつ社会の要求に応えるということは、営利組織の理想であって、それを賞賛するに拍手を少なく抑えるべきいわれはない。

 かく僕が言うのは、幼児教育的側面も非常に興味深く、期待させるものであることも当然あるが、それよりも、親(事実上母親が主となろうが)に対する面での期待が大きい。

 女性は、出産から乳児期を経る間に、それまで属していた、あるいは行っていたものごとから一種の断絶を余儀なくされている場合が多い。それは仕事であるかも、学びであるかもしれないし、趣味であり、あるいは交友かもしれない。

 子どもが3才ほどにもなると、ようやく再び落ち着いて自分のことも考えれるようになってくるが、その時点では既にかつてのものから切り離されてしまっていることも多い。

 また、結婚で土地を移っていた場合や、あるいは転勤族の場合、そうした時期に、生活圏内によき友人がいないということも、かといって、なかなか友人をつくる場もないということも、ままあるものだ。

 もちろん、そうして落ち着いた時点で、なにか「学びたい」という欲求も当然、いまの社会では高まっている。

 さてそうしたことをつらつら考えながら(しかも僕は転勤の多い仕事だったため、部下についても、その奥さんたちにいかに新しい環境に溶け込んでもらえるかとよく苦慮していたものだ、特に僻地勤務時代は ^^;)もちろん、同期からだってそうした悩みはしばしば聞くし)、この「こども大学」は素敵な企画じゃないか、と思ったわけだ。

 ちょっとした学生気分も味わえるし、実際、学生の頃よりも、学んでいて楽しいに違いない、文学にせよ哲学にせよ芸術論にせよ。
 そして、公園デビューなんぞと違って、少なくともある程度自分と関心を共にし得る、しかも同じ年頃の子どもを持つ友人ができやすい。
 かつ、子どもの教育についても、普通の幼稚園よりは十分充実したさまざまな体験をさせてやれるのであり、文句はない。


 今回こうした取り組みは、私立大学が経営判断の一環として立ち上げるものではあるが、国や地方自治体も、このモデルを参考に、こうした種類の施策を行うべきではないだろうか。

 たとえば少子化対策ひとつとっても、とかく児童手当的なお金の話に終始しがちだが(そしてそれも要らないとは言わないが)しかし、女性にとって出産とは、子どもを持つということは、ただただ経済的問題(むろんそれもあるにせよ)のみではなく、それによって失うことになるのではと思われる、自分の、何か人生のような、自分自身の何かのような、そういうものへの不安、恐れもあるだろう。

 この「こども芸術大学」のような取り組みは、ごく小さなモデルに過ぎないが、こうした種類、性格のさまざまな「場」であり「時」でありを、さかんに、豊かに準備して、人々の目に見える形で、豊かなライフスタイルのモデルを用意していくことも重要だと思う。

 正直僕自身については、少子化対策としてよりも、世の女性たちの新しい豊かなライフスタイルを目指すほうに重点を感じている。
 女性が元気な社会とは、男女共同参画社会とやらにおける勤労女性の数や元気なんかより、主婦でありお母さんたちがhappyで元気に暮らしている社会ではないかと、僕は考えているので。そんな社会では、それこそ男性も子どももhappyで元気になるだろう、とも。

 今回は、実にいい刺激を受け、あらためていろいろ考えさせられた。
 アイディアもふつふつと ^^)v
 何か政策案を考えてみたい。

 僕が代議士になった際には(まだしばらくかかるが ^^;)、国政としてそうした政策をつくるだけでなく、まずは少なくとも自分の選挙区において、県議や市議、そして支持者の方々と、その地に何かそうした「場」や「時」を創る働きかけを行いたいと思う。その際、まず手始めには今日の一例、親子大学のようなものも創ってみたい。


posted by Shu UETA at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 天下-教育・科学・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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