web上のクリッピングはもとより、いろいろなアイディアの断片や、各種メモ、記録などをすべてEvernoteに放り込んでいたんだけれども、
FriendFeedでのYuuさんのpostを見て、そうだよなあとあらためて実感。
それは、Evernoteの動作が重いってこと。
他にも思い当たる不満は、携帯での使用にもEvernoteはあまり便利でもないと。
一方で、いまEvernoteでやってることって、ほとんどGmailでできるんだよな、と気づく。
で、思い立ったら吉日とばかり、完全にGmailに移行してみることにした。
いろいろテストしてみたところ、結論からいうと、ほぼ完璧にEvernoteに代わって機能し得る。
詳細は後述するけれど、
メリットは、
動作が軽い
検索が強い
携帯でも使いやすい
さまざまな形式のファイルを添付できる
デメリットは(Evernoteと比べた場合)
写真等の画像内の文字の自動認識で検索にヒットさせることは無理。(しかしこれはどうせEvernoteも日本語文字には対応していないんだし、さほどのダメージではない)
ノートとして自在に書き加えたり、編集したりすることができない。(ただし代替方法はあり、後述。)
Evernoteにおけるノート分けとタグ付けに対して、Gmailではラベルしかない。(しかしFirefoxでグリモンを使うなどすればGmailのラベルも階層化はできる。<ただし僕はこれを採用せず。)
ページ内の画像を真に保存することはやや面倒。(後述)
1 クリッピング
まず、焦点のひとつ、クリッピングについて。
これには、いくつかの方法がある。
まず、yuuさんの先のポストにもあるとおり、「あとで読む」を使うこと。
もうひとつは、ブラウザのGoogleツールバーの「次に送信」を使うこと。
結論から言うと、僕はこの二者を併用することにした。
◇「あとで読む」
「あとで読む」は、クリッピングしたいwebページでブックマークレットを使うことにより、そのページのキャッシュを、指定したメールアドレスに送ってくれるというもの。
随分以前から放置状態だったんだけど、あらためて便利さを思い知る。
このサービスでは、「あとで読む」「あとで読む+」「あとで読も」「あとで読も+」の4種類のブックマークレットが提供されているが、
主として「あとで読む+」と「あとで読も+」を使うことにする。
「+」がついている方は、指定アドへの転送の際に、コメントを付加することができる。
このコメント機能を使って、キーワードを入力しておくことで、後々Gmail側でのフィルタリングや、検索キーワードに使うことができる。
「あとで読む」と「あとで読も」の違いは、前者がページのキャッシュになるのに対して、後者はページの内のテキストのみを送るという違い。
かつ、見逃せないのは、後者、「あとで読も」のほうでは、ページ内の選択した箇所のみを送ってくれるという点。(これは前者「あとで読む」ではできない。)
よって、「あとで読む+」と「あとで読も+」の両方を使いわけるのがよいと思う。
さて、僕が非常に気にしていたことのひとつは、
果たして、これまでEvernoteでやっていたように、たとえばAuto Pagerなどで自動的に次のページ次のページと全部を一画面に表示している場合に、それをまるごとまとめてクリップできるのか、ということ。
テストしてみた結果、できる!
「読む」でも「読も」でも、Auto Pagerで取得したページを全てあわせてクリップされる。
また、「読も」のほうで、ページの切り替わり部分を含めて部分選択をした場合も、選択部分が問題なくすべてクリップされる。
Evernote同様、ソース元リンクもちゃんと表示される。
◇「次に送信」
Googleツールバーには、「次に送信」という機能があるが、これは、現在表示中のページやページ内の選択箇所をメール送信するもの。
こちらを使うと、「あとで読む」では不可能だった選択箇所のみのクリッピングができる。
これも、Auto Pagerなどによるページの区切りをまたいで選択可能。
こちらも、ソース元もちゃんと表示される。
◇画像保存の問題点
上記いずれの方法でも、ページキャッシュを送れるものの、実は画像などはファイルが取得されるわけではなく、リンク元から読み込むようになっている。
したがって、クリッピングとして使うには、時が過ぎてリンク元が消滅している場合にはもはや画像は表示されなくなる。
特に必要な図画等において、こうしたことを回避する良い方法はまだ思いついていないが、
いま現在で対応し得る方法は、
Gmailでそのクリップ記事を開き、当該画像を右クリックなりでいったん保存、
そのままそのメールの転送を行い、さきほどの画像ファイルを添付する。
面倒だが、そうそうしばしばあることでもないので、必要な場合はこのように対応するつもり。
(引き続き、もう少し良いやりかたがないか考えるけれど。)
2 Gmail側での設定
◇送り先アドレス
知ってのとおり、Gmailは、本来のアドレスで@の前に「+a」だの「+b」だのというのをつけて送られてもちゃんと届く。これは、フィルタリングにとって非常に便利だ。
僕は、以前に日誌的なものをGmailで管理していたことがあって、その時に
「×××+d@gmail.com」というアドレスを使っていたので、今回もそれで。
「あとで読む」でも「次に送信」でも、Googleリーダーから送るときでも、
とりあえずこの「+」つきアドレスに送って、そこに来たものに特定のラベルを付与するというフィルタリングができるし、
僕の場合は、この「+」つきアドレス宛で来たメールは携帯に転送しないようにフィルターをかけている。
◇ノート、タグとラベル
僕はEvernoteでは18種のノートに分けていた。そしてタグもかなりの数があった。
で、今回Gmailに移行するにあたって、そのままを再現するかどうか考えてみた。
そのまま再現するには、Greasemonkeyを使ってGmailのラベルを階層化するという手もあるにはあるが、僕はグリモンの微妙な重さがあまり好きではないし、またGmailのラベルがさように階層化されるのも正直鬱陶しい、それに、階層化しても異なる親ラベルをまたいで同じタグ(子ラベル)をつけたい時などを考えるとさらに複雑なことになってしまう。
そこで、そもそものGmail草創時の趣旨に立ち返って、
つまりフォルダだの何だの作らなくても、キーワード検索すれば一発ですよ、と
それをあらためて頼りにすることとして、タグは廃することにした。
ノート単位であったものをラベルにする。
タグであったものは、サブジェクトにキーワードとして入れておく。
(「あとで読む+」でコメント記入すればそれがサブジェクトに入る。「次に送信」ではサブジェクトが編集できるようになっている。)
タグで取り出したいときは、Gmailの検索でキーワード指定する、と。
Gmailのフィルタリングを使って、自動的にラベルに振り分けることはできるが、僕の場合は(とりあえず当面のところ)敢えてこの振り分けをせず、いったんはすべてクリップ用のラベルに入れることにした(受信箱はスキップさせる)。
趣旨としては、もともと僕はEvernoteでも毎週末にその一週間のクリップをざっと読み返すことにしていたので、今後のこのやり方においても、マルチチェックというか、再度目を通してから所定のラベルに手作業で移動することにした。
◇再編集について
クリップしたものや、各種のメモなどは追って編集を加えるなどしたい場合があるのが普通だが、Gmailでは、受信したメールの編集はできない。
(かつてGmailに移行したときの最大の不満がそれだった。Beckyが懐かしい…)
しかしこれができないじゃ、話にならない。
Gmailもメモ機能などがあればよいのにとは思うけれども、
考えた結果、現状でとり得る対策は、
さきほども画像の件で少し書いたが、
そのメールに対して転送をかけることだ。
またも自分宛(+つき)で転送メール編集画面を開いて、そこに追記などをする。
そして送信する。
すると、件名を変えてさえいなければ、検索にかけた時でも、Gmailのスレッド機能でちゃんともとのメールと一緒に表示される。
さらに、追記でなく本文そのものの編集の場合も、転送メールには元の文が入っているので、それを編集して送信して、気になるなら後から元のメールのほうを削除したっていい。(html形式を維持したいなら、転送編集画面でリッチテキスト編集を選べばok)
◇検索式
Gmailで情報管理するとなれば、検索を使いこなすことでさらに利便性をあげれる。
たとえばここでも紹介されてるが、僕はよく使うものを単語登録してる。
(また、検索式の保存というのもアドオン的にいろいろ出てるので、興味があるひとは検索してみてください)
3 その他
◇携帯での閲覧も快適
Evernoteを携帯のブラウザで見たり、BlackBerryやiPhoneなどの専用アプリで見るよりも、実はGmailを携帯で見るほうがはるかに快適だ。
いま書いたようなスマートフォンならなおさら、Gmailアプリも快適だし。
検索性も非常に良い。
◇クリッピング以外
webクリッピング以外の、アイディアやメモ、記録なども、Gmailへの送信は簡単だ。
アイディアやメモは、携帯からでもPCからでもメールすればよいだけなんだし、写真や動画をはじめさまざまなファイルの添付だってもちろんできるんだし。
僕の場合、曲の思いつきなどボイスメモも多いんだけど、それだってラクに送れる。
◇Googleドキュメントとの連携も密かに便利
Gmailはラボ機能でGoogleドキュメントとの連携ができるんだけど、僕は平素そこそここれを活用してる。
ラボでこの機能を追加すると、画面に「create a document」というのが現れて、それをクリックするとGoogleドキュメントで編集保存できる。
◇バックアップ
これまであまりGmailのバックアップというのを考えたことがなかったんだけど、
こうなってみると、今後はバックアップもしてみようかなと思う。
検索すると各種出ているので、試してみよう。
◇Evernoteからのエクスポート
ざっと調べてみたんだけど、Evernoteからのエクスポートはweb上からではなく、ローカルのクライアントソフトからじゃないとできなさそう。(もしweb上でのやりかたがあれば教えてください ^^;)
で、平素使ってなかったローカルソフトを立ち上げて、今えらい時間かけて同期してるとこ。終わったらエクスポートしてGmailに送る予定。
◇twitter(BBユーザー向け余談気味)
僕はtwitterのログも一応とってはいるんだけど、ここ半年ばかりはFriendFeedのほうでまとめてログをとってる。それをGoogleリーダーからEvernoteにメール送信してたんだけど、今後はそれもGmailに送る。
一週間ごとに週末に見直す際、つぶやき的な思いつきなども見返しているんだけど、
実はYatca(BlackBerryアプリ)って、そのtweetごとに「forward」でメール転送できるんだってことに今日きづいた。
ちなみにUberTwitter(これもBBアプリ)では、そういう機能はないけれど、tweetのコピーというコマンドがある。
ということで、ざっと紹介でしたが、また何か発見することがあれば追記しようと思います。
yuuさんthanksでっす! ^^)
ありがたく内容を参考にさせていただいて、移行しようと思います。
そうそう、僕もbb yatcaのforward多用してます。これがあるので、UberTwitterより、yatcaの使用頻度が高いです。
Uberの「tweetのコピー」は知らなかったので、一度試してみます。
考えてみれば、がんばってEvernoteを使い続ける必要なんてないと、素にもどれて助かりましたっ。
しかしおかげで遅くまで寝てしまいました。^^;)
あらためてテストしてみたんですが、BBのGmailアプリって検索&閲覧が快適ですね、やはり。
システム変更したので、今日からまたちょっとわくわくしてます。
指定のページに送信するAdd-Onがあるようです。
www.pdfdownload.org/add_on.html
図が重要なページは、
本文と一緒にPDFとして保存するのはどうでしょうか?
pdfに変換してダウンロードするbookmarkletもあります。
BBで動作するかは不明。
こちらでははじめましてっ
情報ありがとうございます
早速Fxでaddon導入してみましたっ
「PDFとしてメール送信」に軽く感動しましたが、
生成PDFのタイトルにもページの名前がそのままは入らないこともあって、
また、毎度毎度PDF化する必要があるわけでもないことを考えると、
特に図表等が必要な場合は、
1 このaddonの「PDFとして保存」で保存
2 当該ページを「次に送信」で、開いたメール画面で先ほどのDL済PDFを添付
というのがよさそうです。
これはたすかりました。
ありがとうございまっす! ^^)
手続きが手動になってしまいますが・・・。
クリッピングの件ですが、問題の意味を正しく理解していませんでした。参照先のページが無くなった場合、画像を参照できませんね。すいません・・・。
それで、自分なりに方法を考えてみました
案) OutlookからGmailへメールを送る
@クリッピングしたいWebページの該当部分をコピーする
AOutlookを使いメールを新規作成し貼りつける
BGmailへ送る
うーん・・・。スマートなやり方じゃありませんね。とりあえず、Googleに「Gmailでクリッピングできるようにしてね」と要望として出しておきます(笑)。
こればっかりは些かムシの良すぎる話で、なかなかそうはうまくいきませんね ^^
前コメントにあるpdf方式にせよ同じですが、
いずれにせよ、「コピー&添付」という数ステップを踏むしかありませんね。
でも、そういう必要性のあるケースはそう多くないので、それでいいかなとも思います。
ちなみに、あれ以来、実際にGmailに集積しているんですが、非常に快適ですね。
満足してまっす。 ^^
画像入りのwebクリッピングの件ですが、そのような場合には選択範囲を一旦evernoteにクリップしておき、時間がある時にevernoteからgmailにメールで送るというのでどうでしょうか。
はっじめまして
なんとかその後も引き続き、今のところGmailで快適に運用してみてます。
ところで、確かに、
僕もEvernoteを使ってたわけでアカウントもあるんだから、画像入りクリップは いったんEnoteに送っておくというのも手ですね。
幸か不幸か(予測はしていたんですが)、必要図画を含む要クリップというのに遭遇することがなかなかなくって、そのへんの工夫はまだ発展してません。 ^^;)
Enote経由方式も試してみようと思いまっす。
Webクリップは全て、(範囲を選んで)ツールバーの次に送信でEvernoteの投稿用アドレスに送るというのでどうでしょうか。そうすると、Gmailの受信トレイには入らないのですが、送信済みメールの中に残り、検索やラベル付けが可能です。画像はリンクとなります。Evernoteの中にも同じ内容が残り、画像は埋め込みとなります。これでワンアクションでGmailとEvernoteの両方が使えることになります。
また思いつきメモも、Gmailで書いてEvernoteに送るか、携帯で書いてGmailに送り、フィルタでEvernoteに転送するようにすれば、いずれも両方に残るようになります。
素晴らしいっ!
それいいですねっ!
そうそう、「次に送信」でいつも二重にクリップされるなあとは思ってたんですよ。容量は十分だから、まあいいか、と。
そこで止まってた僕より格段に冴えてますね。
今後とも、いろいろこういった知的生産技法系の話ができたらうれしいです。
blogやtwitterやFriendFeedをやっておられたら、ぜひアカウントなど教えてください。 ^^)